コロンビア:一般炭の新規契約を禁止する鉱業法改正案を議会に提出、業界は反発

掲載日:2025年10月10日

2025年10月2~3日付け報道によると、コロンビア政府は議会に対し、鉱業法の改正案を提出した。この改正案は、鉱物資源の管理について再定義するもので、資源の所有権、環境の保護、小規模採掘業者に対する支援、鉱山開発・閉山に関する規制等を軸としているが、これに対して業界からは反発の声が上がっている。

法案は255条から構成され、石炭に関しては、一般炭の探査・採掘に係る新規契約を禁止する、コロンビア国内で生産される鉱物資源の所有権は国家が有する、鉱業活動は原則として国営企業が実施し、国営企業ができない活動のみ第三者の関与を認める、等と規定している。一般炭の探査・採掘に係る新規契約の禁止に関しては、既存の採掘契約には影響が無いとしているが、コロンビア石炭生産者連盟(Fenalcarbón)のCarlos Cante会長は「(石炭の)需要は2050年まで続き、国内の埋蔵量は80年分あるというのに、この判断は間違っている」と述べ、法案に反対の意を表明した。

コロンビア鉱業協会(ACM: La Asociación Colombiana de Minería)のJuan Camilo Nariño会長も、「(本法案による)社会的、財政的影響を全く考えていない」「国家管理による中央集権的な鉱業モデルを確立するものであり、企業の自由を著しく制限し、国家独占を助長するものである」「もし可決されれば、鉱業部門は前例のない麻痺状態に陥り、開発は進まず、地域が犯罪組織による違法な資源採掘の危険に晒され、結果として社会や環境に悪影響を及ぼすことになる」との危機感を示した。

(石炭開発部 小口 朋恵)

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