南アフリカ:電源総合資源計画(IRP2025)を発表、発電の石炭依存度を減らす見込み
掲載日:2025年10月24日
2025年10月19~21日付け報道によると、ラモホパ電力・エネルギー大臣は、電源総合資源計画の改訂版となる「IPR2025(Integrated Resource Plan 2025)」を発表した。これは、長年に亘る電力危機を解決し経済成長を促すことを目的とし、2042年までにエネルギーインフラ対する2兆2,300億ランド(1,280億米ドル、南アGDPの30%相当)の投資を見込んでいる。
19日に閣議で承認された「IRP2025」は、現在の電力需要、発電技術のコスト、送電網の制約、およびEskomの運用上の課題に対処するものである。また政府は、電力を手頃な価格に保ち、供給の信頼性を確保し、エネルギー部門の雇用維持も目指すという。具体的には2039年までに10.5GWの新発電容量の導入を目標とし、その実現には2030年までに6GWの新たなガス発電容量の導入が必要と考えられている。天然ガスに切り替えた場合、8GWの石炭火力発電所の廃止が可能になるが、現在天然ガスの供給は輸入に依存していること、ガスインフラの開発には時間を要すること、開発の成功例が限定的なことから、天然ガスへの切り替えには早急な意思決定が求められている。そのため、原子力技術が信頼性の高いベースロード電力を提供し、断続的な再生可能エネルギーの発電とエネルギー貯蔵を補完しながら、長期的には石炭に取って代わるものと期待されている。これに関連し、現在Eskom社で管理・保守中のモジュール式原子炉をNecsa社(南ア原子力公社)の管理下に置くことで復活させる計画である。
現在の電源構成は、総発電容量の58%が石炭、10%が屋上太陽光発電、10%が系統連系太陽光発電、8%が風力、3%がガス、3%が原子力であるところ、原子力、風力、太陽光に推移することを目指し、原子力とガスは今後14年間で計16%に、太陽光と風力は計40%に増やす一方、石炭への依存度は同期間に27%に低下させる見通しである。
なお、Eskom社は2024年5月、石炭火力発電所の代替となる設備の稼働見通しが立たないことを理由に、廃止予定だった4.5GWの石炭火力発電所(1,723MWのHendrina発電所、1,180MWのGrootvlei発電所、1,561MWのCamden発電所)の稼働を2030年まで延長することを決定している。
IRP2025は、2025年10月24日までに官報掲載される予定である。
19日に閣議で承認された「IRP2025」は、現在の電力需要、発電技術のコスト、送電網の制約、およびEskomの運用上の課題に対処するものである。また政府は、電力を手頃な価格に保ち、供給の信頼性を確保し、エネルギー部門の雇用維持も目指すという。具体的には2039年までに10.5GWの新発電容量の導入を目標とし、その実現には2030年までに6GWの新たなガス発電容量の導入が必要と考えられている。天然ガスに切り替えた場合、8GWの石炭火力発電所の廃止が可能になるが、現在天然ガスの供給は輸入に依存していること、ガスインフラの開発には時間を要すること、開発の成功例が限定的なことから、天然ガスへの切り替えには早急な意思決定が求められている。そのため、原子力技術が信頼性の高いベースロード電力を提供し、断続的な再生可能エネルギーの発電とエネルギー貯蔵を補完しながら、長期的には石炭に取って代わるものと期待されている。これに関連し、現在Eskom社で管理・保守中のモジュール式原子炉をNecsa社(南ア原子力公社)の管理下に置くことで復活させる計画である。
現在の電源構成は、総発電容量の58%が石炭、10%が屋上太陽光発電、10%が系統連系太陽光発電、8%が風力、3%がガス、3%が原子力であるところ、原子力、風力、太陽光に推移することを目指し、原子力とガスは今後14年間で計16%に、太陽光と風力は計40%に増やす一方、石炭への依存度は同期間に27%に低下させる見通しである。
なお、Eskom社は2024年5月、石炭火力発電所の代替となる設備の稼働見通しが立たないことを理由に、廃止予定だった4.5GWの石炭火力発電所(1,723MWのHendrina発電所、1,180MWのGrootvlei発電所、1,561MWのCamden発電所)の稼働を2030年まで延長することを決定している。
IRP2025は、2025年10月24日までに官報掲載される予定である。
(石炭開発部 小口 朋恵)
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