インドネシア:石炭コンテナ数百台が差し押さえ、物流混乱の懸念

掲載日:2025年10月24日

2025年10月13日付地元報道によると、インドネシアの複数の港湾で数百の石炭コンテナが差し押さえられ、海運業界に深刻な不安が広がっている。東ジャワ商工会議所(Kadin)会頭は、国家物流網の混乱を防ぐため、政府が迅速に介入し解決策を講じるように求めた。

差し押さえられたコンテナの多くはカリマンタン島から出荷されたもので、当局は貨物の内容、積荷目録書類、および鉱業事業許可証(IUP)の間に不一致が疑われ、規制に適合していないとして押収が行われたと説明している。Kadin会頭は、海上輸送が国家経済を支える上で極めて重要な役割を担っていると強調した。海洋国家であるインドネシアでは国土の半分以上が水域であり、海上物流活動は地域間の物資流通を支える生命線となっている。しかし、現在多数の石炭コンテナが滞留している状況がこうした機能を阻害している。

輸送会社や海運会社は実際にはコンテナ内部に直接アクセスできず、積み込み作業は各地域の石炭所有者が担当する。つまり、鉱物・石炭貨物の所有者が自ら輸送を手配し、コンテナを引き取り、積載・封印した上で港湾に搬送し、港湾管理者に報告する。一方、海運会社は貨物所有者の指示通り、積荷目録に基づいて輸送を行う形となっている。

近年、鉱業許可証の不正発行や違法採掘が相次いだことを受け、当局は調査範囲を運送業者や船主にも拡大している。現在、石炭を輸送する船舶はすべて厳格な検査を受けており、積荷内容と積荷目録に不一致が見つかれば、関係するすべての当事者が罰則の対象となる。有罪が確定した場合、運送業者は2020年鉱業・鉱物・石炭法第3号に基づき、最高10年の懲役および最大100億ルピアの罰金が科される可能性がある。そのため、多くの企業はリスクを避けるため石炭輸送を一時停止しており、法的な取扱いが明確になるまでは輸送を再開しようとしていない。Kadin会頭は、検査は貨物が積込港に到着した後ではなく、出荷地から港湾へ輸送される前の段階で実施されるべきたったと指摘した。そうすることで、貨物所有者と運送業者双方への損害拡大というドミノ効果を防ぐことができたはずだと述べている。

また、同氏は、政府が鉱業製品に関する検査基準や手続きを明確化することで、この状況は早期に解消できるとの期待を示した。その上で、運送業者はあくまで自らの主たる義務と機能に関して責任を負うべきであり、貨物所有者の行政上の過失まで負担させられるべきではないと強調した。

(ジャカルタ事務所)

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