インドネシア:インドネシア経済改革センター（CORE）、主要輸出先との石炭貿易データに大幅な不一致を指摘

2025年10月23日付の地元報道によると、インドネシア経済改革センター（CORE）は、インドや中国など主要貿易相手国が公表する石炭輸入データと、インドネシア側の石炭輸出データとの間に顕著な不一致が存在することを明らかにした。同セクターは、この不一致が国家収入に重大な潜在的損失をもたらす可能性があると警告している。

Coraの分析によれば、中国とのデータ差は比較的限定的で、2024年時点では1億5,000万～1億6,000万米ドル程度にとどまる。一方、インドとの間では差異がはるかに大きく、2024年にはその差額が23億米ドル、さらに2022年には38億米ドルにまで拡大していた。

こうしたデータ照合は、政府が繊維製品（TPT）の違法輸入を摘発する際にも活用されてきた手法であり、今回のケースは同様の漏れまたは違法行為の可能性を示唆している。COREがインドネシア統計局（BPS）の石炭輸出統計を中国やインドなど複数の国の輸入統計と比較したところ、仮にインド側の輸入数字が正確であるとすれば、インド向け石炭輸出の約26％がインドネシアの統計に計上されていないことになる。

この不一致は一過性ではなく、2015年以降一貫して発生してきた。同セクターによれば2015年以降の差額は、当初約8億米ドル規模だったものが年々拡大し、2022年にピークを迎えた後、2023～2024年にかけて若干縮小したものの依然として20億米ドル超の規模で推移している。

COREは、この状況は鉱物・石炭輸出データに関するガバナンスおよび透明性の強化が急務であることを示していると強調した。とりわけ、デジタルシステムの導入強化と機関横断的な連携を通じて、輸出入データを相手国データと直接照合できる仕組みを整備することが不可欠だとしている。最適な財政政策と石炭セクターの統治には、データ精度の向上が鍵であり、政府は国家歳入の漏れを防ぐためデジタル化の加速が必要だと結論付けている。