米国:EIA短期エネルギー見通し: 2025年9月分(石炭)
掲載日:2025年11月7日
9月9日、米国エネルギー省エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration: EIA)が月例の短期エネルギー見通し(Short Term Energy Outlook: STEO)を発表した。9月公表のSTEOにおける米国の石炭に係る主な見通しの概要は以下の通りである。
米国の2025年の電力需要について今次STEOでは、季節は今、電力需要が高騰する夏季と冬季の間の「ショルダー・シーズン」に向かいつつあり、通常この期間は化石燃料を利用する発電施設が定期メンテナンスのために当該施設の稼働を停止させているが、2025年全体の石炭火力による発電量は前年比で9%(610億キロワット時)増加すると予測している。
同予測が現実のものとなった場合、今年の石炭火力による発電量は2021年以来初めて前年比増加を遂げることになる。これは、2025年の天然ガス価格が前年比で約40%増となると予想されることを受け、2025年のガス火力による発電量は前年比で3%(610億キロワット時)減少するとし、石炭火力がガス火力にとって代わることによるものとしている。(図1参照)

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook September 2025」
図1米国の2015年から2026年までの電力源別発電量推移と予測(単位:10億キロワット時)および電力源別発電量割合の推移と予測(単位:パーセント)
今次STEOでは、米国の9月の石炭消費量は、季節が石炭需要において「ショルダー・シーズン」に入ることから、前月比で1,000万ショートトン(10 MMst)減となる、3,400万ショートトン(34 MMst)となると予測する。
2025年下半期の石炭消費量については、今年前半期消費量が寒波を受けての13%増に続き、前年同期間比で1%増となると予測する。
2025年全体の石炭消費量は、天然ガス価格の上昇および電力需要の増加を反映し、前年比で7%増となる4億3,900万ショートトン(439 MMst)となると予測している。地域別に見ても、2025年の石炭消費量は全米全体において前年比で増加すると予測する。
2026年全体の石炭消費量は、前年比で減少し、4億2,400万ショートトン(420 MMst)となると見込んでいる。これは2025年末までに発電容量にして6ギガワットに相当する石炭火力発電所が閉鎖予定であることによるもの。尚、地域別における石炭消費量を見ると、東部地域における発電用燃料としての石炭需要の増加を反映し、8月STEOでの予測から年700万ショートトン(7 MMst)上回ることになると見ている。また南部及び北東部での消費量の微増が中西部及び西部における減少分を相殺することになると予測する。
2025年末の石炭備蓄量は前年末時点と比較し17%減となる、1億600万ショートトン(106 MMst)となると予測する。この2025年の備蓄量減少は、特に全発電量に占める石炭火力発電の割合が大きい中西部及び南部地域で顕著となる見通しである。
2026年の石炭生産量の6%減が同消費量の4%減を上回ることが見込まれるため、同年発電用石炭の備蓄量は、さらに減少して同年末に9,200万ショートトン(92 MMst)となる。尚、この備蓄減少は中西部および南部で発生するとみている。(図2参照)

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook September 2025」
図2 2024年から2026年における米国の地域別発電用石炭消費量推移と予測
(単位:100万ショートトン)
米国の2025年の電力需要について今次STEOでは、季節は今、電力需要が高騰する夏季と冬季の間の「ショルダー・シーズン」に向かいつつあり、通常この期間は化石燃料を利用する発電施設が定期メンテナンスのために当該施設の稼働を停止させているが、2025年全体の石炭火力による発電量は前年比で9%(610億キロワット時)増加すると予測している。
同予測が現実のものとなった場合、今年の石炭火力による発電量は2021年以来初めて前年比増加を遂げることになる。これは、2025年の天然ガス価格が前年比で約40%増となると予想されることを受け、2025年のガス火力による発電量は前年比で3%(610億キロワット時)減少するとし、石炭火力がガス火力にとって代わることによるものとしている。(図1参照)

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook September 2025」
図1米国の2015年から2026年までの電力源別発電量推移と予測(単位:10億キロワット時)および電力源別発電量割合の推移と予測(単位:パーセント)
今次STEOでは、米国の9月の石炭消費量は、季節が石炭需要において「ショルダー・シーズン」に入ることから、前月比で1,000万ショートトン(10 MMst)減となる、3,400万ショートトン(34 MMst)となると予測する。
2025年下半期の石炭消費量については、今年前半期消費量が寒波を受けての13%増に続き、前年同期間比で1%増となると予測する。
2025年全体の石炭消費量は、天然ガス価格の上昇および電力需要の増加を反映し、前年比で7%増となる4億3,900万ショートトン(439 MMst)となると予測している。地域別に見ても、2025年の石炭消費量は全米全体において前年比で増加すると予測する。
2026年全体の石炭消費量は、前年比で減少し、4億2,400万ショートトン(420 MMst)となると見込んでいる。これは2025年末までに発電容量にして6ギガワットに相当する石炭火力発電所が閉鎖予定であることによるもの。尚、地域別における石炭消費量を見ると、東部地域における発電用燃料としての石炭需要の増加を反映し、8月STEOでの予測から年700万ショートトン(7 MMst)上回ることになると見ている。また南部及び北東部での消費量の微増が中西部及び西部における減少分を相殺することになると予測する。
2025年末の石炭備蓄量は前年末時点と比較し17%減となる、1億600万ショートトン(106 MMst)となると予測する。この2025年の備蓄量減少は、特に全発電量に占める石炭火力発電の割合が大きい中西部及び南部地域で顕著となる見通しである。
2026年の石炭生産量の6%減が同消費量の4%減を上回ることが見込まれるため、同年発電用石炭の備蓄量は、さらに減少して同年末に9,200万ショートトン(92 MMst)となる。尚、この備蓄減少は中西部および南部で発生するとみている。(図2参照)

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook September 2025」
図2 2024年から2026年における米国の地域別発電用石炭消費量推移と予測
(単位:100万ショートトン)
(ワシントン事務所 三澤 律子)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
