欧州:ポーランド政府、炭鉱閉鎖と炭鉱労働者への補償を促進する法案を承認

掲載日:2025年11月21日

10月31日付の現地メディアによると、ポーランド政府は2025年10月28日、石炭採掘に関する法律の改正案を採択した。この法案は、鉱山会社が国の財政支援を受けてより自立的に炭鉱を閉鎖し、労働者への補償を支援し、旧炭鉱地を新規プロジェクトに活用することを可能にするものとなる。
 
本改正案の事業概要によると、鉱業法に基づく国家予算支出総額は2026年に約22億3,000万ズウォティ(約6億929万米ドル)、2027年には18億7,000万ズウォティ(約5億1,093万米ドル)に達する見込みであり、2026年から2035年までの予算総額は105億8,000万ズウォティ(約28億9,071万米ドル)と推定されている。この支出予定の中には、炭鉱労働者や石炭処理工場の従業員のための一時金や、鉱山施設清算のための補助金等が含まれる。
 
この改正の目的は、石炭からの公正なエネルギー転換に対する対応として、従業員の利益と鉱山企業の安定性を確保しながら、一般炭炭鉱の段階的廃止を、段階的かつ社会的に受け入れられるプロセスで確実に行うこととしている。
 
改正案の支援制度には、鉱山会社が再編または清算を目的として、鉱山を無償で相互に譲渡することを可能にする規則が導入される。また、この支援制度の権利が消滅する期日となる、いわゆる「カットオフ・デート(Cut-off date)」が削除され、これまで支援制度の対象外であったJSW社とBogdanka社が加えられた。
 
併せて、採掘事業の閉鎖費用の負担および人員削減に関連する特別補助金が含まれる。JSW社、PGG社、PKW社、Węglokoks Kraj社、Bogdanka社の企業の従業員が対象となり保護措置を受けることができる。この給付を受けるには、最低3年の勤続年数が必要となり、炭鉱労働者は定年退職の5年前、石炭処理工場従業員は定年退職の4年前から、それぞれ休暇の資格を得ることができる。この休暇は、労働義務のない休暇手当として計算され、月給の80%に相当する社会保障の給付となる。

定期的に実施されている規制影響評価では、新支援制度の対象となる企業の従業員約44,000人のうち、3,500人の炭鉱労働者および240人の石炭処理工場の従業員がこの休暇の恩恵を受けると予測されている。

(石炭開発部 福水 理佳)

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