インドネシア:石炭DMO引き上げ論、業界で価格基準への懸念拡大
掲載日:2025年11月28日
2025年11月17日付地元報道によると、 政府は2026年までに国内供給義務(DMO)比率を、現在の総生産量の25%から引き上げる可能性を示している。この政策は、すべての鉱業企業にとって公平性を確保するため、DMO基準価格の見直しを含め、包括的かつバランスの取れた再検討が必要だとされている。
エネルギー鉱物資源省(ESDM)が来年の石炭生産削減方針を示したことを背景に、DMO比率引き上げの議論が浮上している。これは世界の石炭価格が、需給の不均衡やインドネシア産石炭の過剰供給により低迷している状況と密接に関係している。中央統計局(BPS)によると、2025年第3四半期の石炭価格は前年同時期比21.57%減の110.46米ドル/トンとなった。同期間の石炭・褐炭採掘産業の成長率も7.29%減と大きく落ち込んだ。
2024年のインドネシアの石炭生産量は8.36億トンで、2024年目標(7.1億トン)の117%に達した。ESDMのデータによれば、この8.36億トンのうち5.55億トンが輸出、2.33億トンが国内需要(DMO)、0.48億トンが国内備蓄に割り当てられた。一方、2025年の国家生産目標は7.4億トンに設定されているが、ESDMは2025年の最終的な生産量が目標を上回る可能性が高いと見ている。
しかし、世界市場が依然低迷していることから、ESDMは来年の石炭生産量削減を検討している。ESDMは、2026年の生産量が7億トンを下回る可能性を示唆しているが、具体的な削減幅は確定していない。ESDM大臣は、生産削減計画と並行してDMO比率引き上げの可能性に言及し、生産削減を行う場合は国内需要を最優先すると強調した。必要であれば、電力向けDMO価格70米ドル/トンは据え置いたまま、DMO比率を25%超に引き上げる可能性もあるとしている。
国会第XII委員会で、一部の採掘企業が25%のDMO義務を遵守していないとの報告があった際にも、同大臣はDMO引き上げの選択肢を示した。インドネシア石炭企業協会(APBI)の事務局長は、DMO比率を引き上げるのであれば、国内市場が確実に吸収できることが前提だと指摘した。国内供給量全量が国内で消費されない場合、市場の余剰につながり、特に生産と販売契約のバランス維持に課題が生じとしている。また、電力向けDMO価格は70米ドル/トン、セメント・肥料向けは90米ドル/トンに設定されているが、生産コストが上昇し続ける中、こうした価格設定は企業に大きな影響を及ぼす可能性があるとしている。生産量削減の議論についても、企業の操業状況を十分考慮すべきだとしている。さらに同氏は、石炭価格は国際市場の需給、エネルギー政策、地政学などに左右され、国内政策が国際価格に与える影響は限定的だと述べた。
インドネシア鉱業専門家協会(Perhapi)の会長は、DMO比率の引き上げはすべての企業に公平となるよう比例的に実施すべきだと主張。また、DMO価格は2018年から据え置かれており、操業コストが上昇している現状を踏まえ、価格の見直しが必要だと指摘した。剝土比の上昇やB40バイオディーゼル使用による燃料費の増加が影響しているという。価格評価なしにDMO比率のみを引き上げれば、石炭産業を衰退させる危険があり、政府はすべての要因を考慮した包括的評価を行うべきだとしている。
一方で同会長は、2026年に生産抑制を行い価格を押し上げる政策について支持を表明した。近年の石炭価格低迷で業界が大きな打撃を受けているため、生産削減は価格を有利な水準に戻し、石炭産業の回復につながると期待しているとしている。インドネシア鉱業研究所(IMI)の会長も、生産削減やDMO比率引き上げの議論は慎重な計算に基づいて進めて必要があると強調した。価格維持が目的であれば一定の効果はあるものの、石炭価格は1~2の要因だけで決まるものではなく、世界の需給動向に左右されると説明した。特に、中国とインドの需要、他国の生産動向、新エネルギーの普及などが重要な影響要因になるとしている。
エネルギー鉱物資源省(ESDM)が来年の石炭生産削減方針を示したことを背景に、DMO比率引き上げの議論が浮上している。これは世界の石炭価格が、需給の不均衡やインドネシア産石炭の過剰供給により低迷している状況と密接に関係している。中央統計局(BPS)によると、2025年第3四半期の石炭価格は前年同時期比21.57%減の110.46米ドル/トンとなった。同期間の石炭・褐炭採掘産業の成長率も7.29%減と大きく落ち込んだ。
2024年のインドネシアの石炭生産量は8.36億トンで、2024年目標(7.1億トン)の117%に達した。ESDMのデータによれば、この8.36億トンのうち5.55億トンが輸出、2.33億トンが国内需要(DMO)、0.48億トンが国内備蓄に割り当てられた。一方、2025年の国家生産目標は7.4億トンに設定されているが、ESDMは2025年の最終的な生産量が目標を上回る可能性が高いと見ている。
しかし、世界市場が依然低迷していることから、ESDMは来年の石炭生産量削減を検討している。ESDMは、2026年の生産量が7億トンを下回る可能性を示唆しているが、具体的な削減幅は確定していない。ESDM大臣は、生産削減計画と並行してDMO比率引き上げの可能性に言及し、生産削減を行う場合は国内需要を最優先すると強調した。必要であれば、電力向けDMO価格70米ドル/トンは据え置いたまま、DMO比率を25%超に引き上げる可能性もあるとしている。
国会第XII委員会で、一部の採掘企業が25%のDMO義務を遵守していないとの報告があった際にも、同大臣はDMO引き上げの選択肢を示した。インドネシア石炭企業協会(APBI)の事務局長は、DMO比率を引き上げるのであれば、国内市場が確実に吸収できることが前提だと指摘した。国内供給量全量が国内で消費されない場合、市場の余剰につながり、特に生産と販売契約のバランス維持に課題が生じとしている。また、電力向けDMO価格は70米ドル/トン、セメント・肥料向けは90米ドル/トンに設定されているが、生産コストが上昇し続ける中、こうした価格設定は企業に大きな影響を及ぼす可能性があるとしている。生産量削減の議論についても、企業の操業状況を十分考慮すべきだとしている。さらに同氏は、石炭価格は国際市場の需給、エネルギー政策、地政学などに左右され、国内政策が国際価格に与える影響は限定的だと述べた。
インドネシア鉱業専門家協会(Perhapi)の会長は、DMO比率の引き上げはすべての企業に公平となるよう比例的に実施すべきだと主張。また、DMO価格は2018年から据え置かれており、操業コストが上昇している現状を踏まえ、価格の見直しが必要だと指摘した。剝土比の上昇やB40バイオディーゼル使用による燃料費の増加が影響しているという。価格評価なしにDMO比率のみを引き上げれば、石炭産業を衰退させる危険があり、政府はすべての要因を考慮した包括的評価を行うべきだとしている。
一方で同会長は、2026年に生産抑制を行い価格を押し上げる政策について支持を表明した。近年の石炭価格低迷で業界が大きな打撃を受けているため、生産削減は価格を有利な水準に戻し、石炭産業の回復につながると期待しているとしている。インドネシア鉱業研究所(IMI)の会長も、生産削減やDMO比率引き上げの議論は慎重な計算に基づいて進めて必要があると強調した。価格維持が目的であれば一定の効果はあるものの、石炭価格は1~2の要因だけで決まるものではなく、世界の需給動向に左右されると説明した。特に、中国とインドの需要、他国の生産動向、新エネルギーの普及などが重要な影響要因になるとしている。
(ジャカルタ事務所)
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