インドネシア:インドネシア政府、2025年の石炭生産を750~780百万トンと予測

掲載日:2025年12月19日

2025年12月1日付の地元報道によると、エネルギー・鉱物資源省鉱物・石炭総局(Minerba)の総局長は、2025年の国内石炭生産量が750~780百万トン程度にとどまるとの見通しを示した。この水準は、2024年の実績である836百万トンを大きく下回るものであり、過去最高を記録した前年からの減産が見込まれている。

同総局長によれば、減産の主因は世界市場における石炭需要の減退である。インドネシアの石炭産業は、技術的・設備的にはより高い生産水準を維持する能力を有しているものの、国際市場がその供給量を吸収できない状況にあり、市場制約が生産調整を余儀なくしている点を明確にした。

とりわけ、インドネシア石炭の最大の輸出先であるインドおよび中国の動向が、今後の需給見通しにおける大きな懸念材料となっている。両国は引き続きインドネシア産石炭の主要な需要国であるものの、近年は国内供給力の強化を進めており、石炭輸入への依存度を引き下げる政策を加速させている。このため、インドネシアからの石炭輸出が今後低下する可能性が指摘されており、将来の需要見通しに不確実性をもたらしている。

一方、2025年の石炭生産目標は739.56百万トンと設定されているが、現時点での進捗状況から判断すると、実際の生産量はこの目標値を上回る見込みである。ただし、年末時点における最新の生産統計については、エネルギー・鉱物資源省(ESDM)の公式ウェブサイトにおける情報アクセスの不具合により、公表が遅れている状況にある。

2024年の石炭生産量が、政府目標(710百万トン)を17.8%上回る836百万トンに達し、従来の過去最高値であった775百万トンを更新したことを踏まえると、2025年に見込まれる減産は、インドネシアの石炭供給能力そのものの構造的低下を示すものではなく、主として国際市場における需要制約に起因する現象であると解釈できる。

以上より、2025年のインドネシア石炭生産見通しは、国内の供給能力ではなく国際市場における需要動向に強く左右されており、特に主要輸出先である中国およびインドの国内エネルギー政策や供給戦略の影響が極めて大きいことが明らかとなった。

(ジャカルタ事務所)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

レポート一覧

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

ページの先頭へ