インドネシア:石炭輸出関税は2026年1月1日時点では施行されず、価格連動の累進税率導入が検討

掲載日:2026年1月9日

2026年1月1日付の地元報道によると、インドネシアの財務省は12月31日、石炭輸出関税について、2026年1月1日時点では施行されないことを明らかにした。同省によれば、税率水準や課税根拠を含む制度設計については、現在も政府内で技術的な協議が続いており、関連する実施規則の整備が進められているという。税率については依然として検討段階にあるとした上で、石炭価格に応じた累進的な税率制度が提案されていることに言及した。具体的には、低価格帯で5%、中価格帯で8%、高価格帯で11%とする案が議論されている。ただし、最終的な税率については省庁横断での調整が続いており、現時点では確定していない。

また、政策の実施時期についても柔軟に検討されているとし、2026年1月1日には適用されないことを明言した。その上で、施行時期が今後変更される可能性があるほか、最終決定の内容次第では遡及適用される可能性も否定できないとの認識を示した。現在、大統領令および財務大臣規則(PMK)の策定作業が進められている。石炭輸出関税を導入する背景について、同省は財政面からの問題点を指摘した。石炭企業は税金やロイヤルティを納付しているものの、付加価値税(VAT)などの還付額が大きく、国の収支ベースでは実質的にマイナスとなっていると説明。結果として、既に潤っている石炭企業を国が補助している構造になっている点が問題点だとした。一方で同省は、この政策が石炭産業の衰退を目的としたものではないと強調した。国家、事業者、社会の三者にとって最適なバランスを追求することが目的であり、産業の持続可能性を維持しながら、天然資源から得られる国家の権益を最適化する考えを示した。政府によると、石炭輸出関税の導入による追加歳入は、教育や災害対策などの公共プログラムに充てられる予定で、年間約200兆ルピア規模の増収効果が見込まれている。これに対し、インドネシア石炭鉱業協会(APBI-ICMA)は、国際市場におけるインドネシア産石炭の競争力を維持するため、業界の実情を踏まえた比例的かつ慎重な政策運営を政府に求めている。

(ジャカルタ事務所)

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