インドネシア:インドネシアの石炭生産量は、2025年に約7億9,000万トンへ減少する見通しで、前年実績を下回る一方、政府目標は上回り、DMO比率の見直しは検討段階

掲載日:2026年1月9日

2025年12月25日付の地元報道によると、エネルギー・鉱物資源省(ESDM)は、2025年通年の石炭生産量が約7億9,000万トンになるとの見通しを示した。これは、2024年の実績である約8億3,600万トンを下回る水準となるものの、2025年末に設定されていた政府目標の7億3,960万トンは上回る見込みである。

同省鉱物・石炭総局長は、石炭の生産動向について「前年と比べて概ね横ばいだが、数量は減少し、価格も下落している」と述べた。2024年の生産量が約8億3,600万トンだったのに対し、2025年は約7億9,000万トンになる見通しで、数量・価格の両面で低下しているとの認識を示している。一方、他の鉱物資源では明暗が分かれている。総局長によると、金の生産量は2025年に約100トンまで増加した。これは市場における金価格の上昇と歩調を合わせた動きであり、鉱山企業の法令順守が改善していることも一因だとしている。これに対し、ニッケル分野の低迷は続いており、ニッケル価格は現在も1万4,000~1万5,000米ドル/トンの水準にとどまり、同セクターの業績回復は限定的との見方を示した。石炭セクターの減速見通しは、政府が2026年に向けて生産目標の引き下げを検討している動きとも一致している。

エネルギー・鉱物資源省は先に、石炭の生産目標を削減する一方で、国内供給義務(DMO)の比率を引き上げる可能性を残していると表明していた。現在、石炭の生産量およびDMOに関する方針は、鉱山会社が提出する2026年の企業予算作業計画(RKAB)の提出期限に合わせ、評価段階に入っている。エネルギー・鉱物資源省は2025年11月14日、同省で記者団に対し、「RKABの集計結果次第で認めるDMO量が決まる。最低25%で十分だ」と述べた。同省は、生産目標引き下げを検討する背景について、2024~2026年を対象とした従来のRKABモデルでは、生産見通しが需要見通しを大きく上回っていた点を挙げた。これまでの3年間のRKABでは、年間生産量が9億トン規模に達する想定となっていたが、市場における石炭需要はむしろ弱含んでいるとの認識を示している。国内需要については、国営電力会社PLN向けの石炭需要が年間1億4,000万~1億6,000万トン程度にとどまる見通しとされた。また、世界の貿易市場全体の石炭需要は約13億トンとされる中、インドネシアが供給できる量は最大でも約6億トンにとどまるとの見方も示された。

(ジャカルタ事務所)

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