米国:米国石炭大手エックス・コールCEOのスピーチ
掲載日:2014年2月13日
米国:米国石炭大手エックス・コールCEOのスピーチ (PDF : 153KB)
2月6日マイアミで開催された Coaltrans USA2014における XCoal Energy & Resourcesの Ernie Thrasher CEO のスピーチの要点は以下のとおり。
世界経済の成長の中心は、世界の人口の55%が集中しているインドから日本にかけた準大陸に移行している。 BRICs は壁に当たっており、今後は成長が鈍化する。米国の金融緩和の段階的縮小は、発展途上国や新興市場に悪影響を及ぼし、幾つかの国では金融縮小による悪影響が発生するおそれが出てくる。世界の固定資産に対する投資の減少により、鉄鋼需要が減少し、原料炭需要が減少する。
石炭は世界的規模では供給過剰の状態にある。世界の石炭海運量は、11億9,460万tに上るが、2011年から2012年にかけて、豪州から +420万t、カナダから +330万t、インドネシアから +520万tの石炭輸出量が増加した。
米国政府は、米国内の石炭火力発電所に対する環境規制を強化するのみならず、世界銀行による国外の石炭火力発電所に対する資金融通を停止する手段を講じている。
中国及びインドは石炭を国内生産し、国内消費の不足分を輸入しているが、石炭輸入量の伸び率は今後鈍化していくであろう。中国やインドに替わって石炭消費量の今後増加する地域は、南アジア、トルコ、北アフリカであろう。
ユーザー側の石炭品位に対する志向を観察すると、鉄鋼メーカーや原料炭メーカーは、コスト削減のため、低品位の原料炭を志向している。また、電力会社等の一般炭の消費者は、灰分が多く、熱量の低い一般炭を志向している。
BP の予測によれば、2012年から2020年にかけて短期的な石炭需要は +6億t増加し、2012年から2035年にかけて長期的な石炭需要は +10億t(+27%)増加する。しかし、発電電力量に占める石炭火力の比率は低下していくと予測されている。米国の原料炭でも一般炭でも世界の顧客は拡大していくが、市場価格の低迷が大きな課題である。石炭生産者の中では、低コスト生産者が生き残る
世界経済の成長の中心は、世界の人口の55%が集中しているインドから日本にかけた準大陸に移行している。 BRICs は壁に当たっており、今後は成長が鈍化する。米国の金融緩和の段階的縮小は、発展途上国や新興市場に悪影響を及ぼし、幾つかの国では金融縮小による悪影響が発生するおそれが出てくる。世界の固定資産に対する投資の減少により、鉄鋼需要が減少し、原料炭需要が減少する。
石炭は世界的規模では供給過剰の状態にある。世界の石炭海運量は、11億9,460万tに上るが、2011年から2012年にかけて、豪州から +420万t、カナダから +330万t、インドネシアから +520万tの石炭輸出量が増加した。
米国政府は、米国内の石炭火力発電所に対する環境規制を強化するのみならず、世界銀行による国外の石炭火力発電所に対する資金融通を停止する手段を講じている。
中国及びインドは石炭を国内生産し、国内消費の不足分を輸入しているが、石炭輸入量の伸び率は今後鈍化していくであろう。中国やインドに替わって石炭消費量の今後増加する地域は、南アジア、トルコ、北アフリカであろう。
ユーザー側の石炭品位に対する志向を観察すると、鉄鋼メーカーや原料炭メーカーは、コスト削減のため、低品位の原料炭を志向している。また、電力会社等の一般炭の消費者は、灰分が多く、熱量の低い一般炭を志向している。
BP の予測によれば、2012年から2020年にかけて短期的な石炭需要は +6億t増加し、2012年から2035年にかけて長期的な石炭需要は +10億t(+27%)増加する。しかし、発電電力量に占める石炭火力の比率は低下していくと予測されている。米国の原料炭でも一般炭でも世界の顧客は拡大していくが、市場価格の低迷が大きな課題である。石炭生産者の中では、低コスト生産者が生き残る
(ワシントン事務所 村松秀浩)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。