米国:米国石炭大手コンソルCEOのスピーチ

掲載日:2014年2月13日

米国:米国石炭大手コンソルCEOのスピーチ (PDF : 155KB)

2月6日、マイアミで開催された Coaltrans USA2014における CONSOL Energy の J.Brett Harvey 会長兼 CEO のスピーチの要点は以下のとおり。
CONSOL は、150年前の1864年に米国西部で創業した。創業以来、変化することを除いて同じであり続けたことは無い。 CONSOL は、ペンシルバニア州で起きている変化を捉えて、石炭企業からエネルギー企業へ転換しつつある。
世界中には現在でも電力に対するアクセスの無い人達が13億人いる。電力を享受できていない人達にとって、石炭は購入可能で信頼できるエネルギーである。20世紀は技術革新の世紀であり、過去20年間に中国では、電力へのアクセスが可能となった人口は数知れない。他方、最近では中間層の貧困化が進んでいるため、購入可能なエネルギー供給の必要に迫られている。石炭無しでは社会の進歩を望めない。2020年までの間、石炭は世界の第1位の燃料であり続けるであろう。
CONSOL は、次世代へ繋げて行くため、刷新し再出発しなければならない。10年前であったならば、 CONSOL は伝統的な石炭採掘企業の道しか考えていなかった。 CONSOL は、ウェストバージニア州の5大炭鉱を売却し現金化して、 B/S を再構築した。技術革新は全てを一掃し変化させたが、石炭産業も例外ではない。
ペンシルバニア州で勃興しているエネルギー即ち天然ガスの生産動向を観れば、低コストの炭鉱は生き残ることができるが、小規模な限界的な石炭生産者は極めて困難な状態に陥ることになる。米国には世界の石炭埋蔵量の20%強があり、米国の原料炭埋蔵量は世界の29%に上る。しかし、ペンシルバニア州から日本へ輸出される資源は、石炭から天然ガスにシフトしようとしている。エネルギー安全保障やエネルギーの選択性の観点から、我々は変化を余儀なくされている。全ての石炭ビジネスは、再構築し再編成される必要に迫られている。米国の電力供給の約70%は石炭及び天然ガスに依存している。天然ガス価格は過去数年間変動幅が大きかったが、同時期に進展した過去数年間の技術進歩により、天然ガスの位置付けに大きな変革をもたらし、ガス需要が急拡大した。石炭は常時天然ガスと競争しなければならない。

(ワシントン事務所 村松秀浩)

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