ロシア:対露制裁の影響

掲載日:2014年8月7日

ロシア:対露制裁の影響 (PDF : 144KB)

- 仏 EDF Trading がロシアの石炭輸出5位の Zarechnaya Coal Company から、パナマックス級1ロットか複数ロットの石炭引き取りを拒否したことが、ウクライナ情勢を巡る EU による対露制裁に関連する動きとして報道された。 Zarechnaya の子会社商社である CCZ Trade SA は昨年2月に、 EDF Trading と6年間1120万tの一般供給契約を発表していた。
- 2014年第1四半期の EU 諸国によるロシア産一般炭輸入は1020万tで、前年同時期と比較して9%増加している。
- 情報筋によれば、現在世界的に石炭は不足しておらず、他の地域からの石炭輸入で代替ができるため、ロシア産石炭供給が制限されたとしても欧州にとっての脅威にはならないと見られている。他のロシア石炭生産企業に関して同様のことが繰り返されるかどうかが焦点となる。
- ロシアでは、 Financial Times が石炭輸出に関する制裁を支持する記事を出したことも報じられている。同紙は Greenpeace の調査結果として、必要石炭の36%を輸入している英国電力業界が2013年にはそのうちの41%を、2014年第14半期には51%をロシアからの輸入に頼っている事実を挙げ、ロシア側の石炭商社には現ロシア政権とつながりのあるものが多いと指摘している。

(モスクワ事務所 屋敷真理子)

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