ロシア:メチェル社、債務問題

掲載日:2015年10月9日

ロシア:メチェル社、債務問題 (PDF : 93KB)

メチェル社は8月31日、 Gazprombank との債務再編協定の調印について発表した。同銀行は、主要債権銀行3行の中でメチェル社に対して最も柔軟な態度を示していると言われてきた。同銀行に対するメチェル社の債務総額は、14億 USD と337億 RUB 。同協定により元本返済が2017年4月まで猶予され、その後2020年4月まで毎月返済を行う。年利8.75%を超える利息は資産化される。この協定は、メチェル及び子会社の役員買い及び株主総会での承認を受ける必要がある。ジュージン会長は、この債務再編により、同社の主な投資プロジェクトを計画能力にまで引き上げることが可能となり、それが財務の安定化をもたらし、2017~2020年の債務返済の資金減となるとした。
また、メチェル社は9月9日、 VTB 銀行との債務再編協定の調印についても発表した。同銀行に対するメチェル社の債務は、総額700億 RUB 。同協定では、 Gazprombank との協定と同じく、元本返済が2017年4月まで猶予され、その後2020年4月まで毎月返済を行うことを定めている。
残る Sberbank は、主要債権銀行の中で最も態度が厳しいと言われている。2行の債務再編協定の発表を受けて、同銀行広報部は9月9日、同銀行はまだメチェル社と債務再編に関する合意には達していないとし、引き続き債務返済を求めて裁判を継続することを発表した。

(モスクワ事務所 屋敷真理子)

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