ロシア:Rosatom、サハリンでの水素プロジェクトに、撤退したAir Liquide社に代えて中国企業を招聘

掲載日:2022年9月29日

9月6日付の現地報道によれば、Rosatom Overseas社と中国能源公司は、サハリンでの水素プラントプロジェクトに関する覚書に調印した。サハリンでの水素プラント建設のパイロットプロジェクトに関する協力関係を発展させ、将来的にロシアから中国への水素輸出を行うための基本的な条件を示すもので、両社は、サハリンから中国に向けて2025年から低炭素水素を輸出するなど、共同事業の可能性を検討するとのこと。

Rosatom Overseas社のパケルマノフ社長によると、中国への水素輸出については、液化水素をタンクコンテナで船舶輸送するシナリオが検討されているという。

Rosatom Overseas社は、2023年にサハリンで水素プラントの建設を開始し、2025年に商業運転開始する計画。同プラントの水素供給量は、年間最大で10万トンを予定している。同社はこれまで、フランスのAir Liquide社と共同で、メタン蒸気変換技術にCO2回収技術を適用したプロジェクトの実施を計画していたが、両社の協力協定は2022年9月上旬に期限を迎え、延長しないことになった。そのためRosatomは単一サプライヤーというコンセプトを放棄し、多くのロシア及び外国のパートナーの参加を得て、プロジェクトを進めることとなった。

(モスクワ事務所 屋敷 真理子)

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